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西行 秋

西行 秋4

0407
 春日にまゐりたりけるに、常よりも月あかくて、あはれなりければ
ふりさけし 人の心ぞ 知られぬる 今宵三笠の 月をながめて
 0408
 月明かりの寺の辺り
昼と見ゆる 月に明くるを 知らましや 時つく鐘の 音せざりせば
 
0409
 人々住吉にまゐりて、月をもてあそびけるに
かたそぎの ゆきあはぬ間より 洩る月や 冴えてみ袖の 霜に置くらん

 0410
波にやどる 月をみぎはに 揺り寄せて 鏡に懸くる 住吉の岸

 0411
 旅まかりける泊りにて
飽かずのみ 都にて見し 影よりも 旅こそ月は あはれなりけれ

 0412
見しままに 姿も影も 変はらねば 月ぞ都の 形見なりける

 0413
 旅の宿に月を思う
月はなほ 夜な夜なごとに 宿るべし わが結びおく 草の庵に

 0414
 心ざすことありて安芸の一宮へまゐりけるに、たかとみの浦と申す所に、風に吹きとめられて、程経にけり。苫葺きたる庵より月の洩りくるを見て
波の音を 心にかけて 明かすかな 苫洩る月の 影を友にて

 0415
 まゐりつきて、月いと明かくて、あはれにおぼえければ
もろともに 旅なる空に 月も出でて 澄めばや影の あはれなるらん

 0416
 旅宿の月
あはれしる 人見たらばと 思ふかな 旅寝の床に 宿る月影

 0417
月宿る 同じうき寝の 波にしも 袖しをるすべき ちぎり有りける

 0418
都にて 月をあはれと 思ひしは 数よりほかの すさびなりけり

 0419
 船中の初雁
沖かけて 八重の潮路を ゆく船は ほのかにぞ聞く 初雁の声

 0420
 朝に雁を聞く
横雲の 風にわかるる しののめに 山飛び越ゆる 初雁の声

 0421
 夜に入りて雁を聞く
烏羽に 書く玉章の 心地して 雁なきわたる 夕闇の空

 0422
 雁の声遠く近し
白雲を 翼にかけて ゆく雁の かど田の面の 友慕ふなり

 0423
 霧中雁
玉章の つづきは見えで 雁がねの 声こそ霧に 消たれざりけれ

 0424
 霧上の雁
空色の こなたを裏に たつ霧の おもてに雁の かける玉章

 0425
 霧
うづら鳴く 折りにしなれば 霧こめて あはれ寂しき 深草の里

 0426
 霧行客を隔つ
名残り多き むつごと尽きで 帰り行く 人をば霧も たち隔てけり

 0427
 山家の霧
立ち込むる 霧の下にも 埋ずもれて 心晴れせぬ み山辺の里

 0428
よをこめて 竹の編戸に たつ霧の 晴ればやがてや あけんとすらん

 0429
 鹿
しだり咲く の古枝に 風かけて すがひすがひに 牡鹿なくなり

 0430
萩が枝の 露ためず吹く 秋風に 牡鹿なくなり 宮城野の原

 0431
夜もすがら 妻恋ひかねて なく鹿の 涙や野辺の 露となるらん

 0432
さらぬだに 秋はもののみ 悲しきを 涙もよほす 小牡鹿の声

 0433
山颪に 鹿の音たぐふ 夕暮に もの悲しとは 言ふにやあるらん

 0434
鹿も侘ぶ 空の景色も 時雨るめり 悲しかれとも なれる秋かな

 0435
なにとなく 住ままほしくぞ 思ほゆる しかあはれなる 秋の山里

 0436
 小倉の麓に住み侍りけるに、鹿のなきけるを聞きて
牡鹿なく 小倉の山の すそ近み ただ一人すむ わが心かな

 0437
 暁の鹿
夜を残す 寝覚に聞くぞ あはれなる 夢野の鹿も かくやなくらん

 0438
 夕聞の鹿
篠原や 霧にまがひて なく鹿の 声かすかなる 秋の夕暮

 0439
 幽居に鹿を聞く
隣ゐぬ 原の仮屋に あかす夜は しかあはれなる ものにぞありける

 0440
 田の庵の鹿
小山田の 庵近くなく 鹿の音に 驚かされて 驚かすかな
 
0441
 人を尋ねて、小野にまかりたりけるに、鹿の鳴きければ
鹿の音を 聞くにつけても すむ人の 心知らるる 小野の山里

 0442
 独り擣衣を聞く
ひとり寝の 夜寒になるに 重ねばや 誰がために擣つ 衣なるらん

 0443
 里を隔てて衣を擣つ
小夜衣 いづくの里に 擣つならん 遠く聞ゆる 槌の音かな

 0444
 年頃申しなれたる人の、伏見に住むと聞きて、尋ねまかりたりけるに、庭の草、道も見えぬほどに茂りて、虫の鳴きければ
分けて入る 袖にあはれを かけよとて 露けき庭に 虫さへぞ鳴く

 0445
 虫の歌よみ侍りけるに
夕されや 玉おく露の 小笹生に 声はつならす きりぎりすかな

 0446
秋風に 穂末波よる 刈萱の 下葉に虫の 声乱るなり

 0447
きりぎりす なくなる野辺は よそなるを 思はぬ袖に 露のこぼるる

 0448
秋風の ふけゆく野辺の 虫の音に はしたなきまで 濡るる袖かな

 0449
虫の音を よそに思ひて 明かさねば 袂も露は 野辺にかはらじ

 0450
野辺になく 虫もやものは 悲しきに 答へましかば 問ひて聞かまし

 0451
秋の夜を 一人や泣きて 明かさまし ともなふ虫の 声なかりせば

 0452
秋の夜に 声も休まず なく虫を つゆまどろまで 聞きあかすかな

 0453
秋の野の 尾花が袖に 招かせて いかなる人を まつ虫の声

 0454
よもすがら 袂に虫の 音をかけて 払ひわづらふ 袖の白露

 0455
きりぎりす 夜寒になるを 告げ顔に 枕のもとに 来つつなくなり

 0456
虫の音を 弱りゆくかと 聞くからに 心に秋の 日数をぞ経る

 0457
秋深み 弱るは虫の 声のみか 聞くわれとても 頼みやはある
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