スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

西行 秋

西行 秋3

0356
行末の 月をば知らず 過ぎ来つる 秋またかかる 影はなかりき
 0357
まこととも 誰か思はん ひとり見て 後に今宵の 月を語らば

 0358
月のため 昼と思ふが かひなきに しばし曇りて 夜をしらせよ

 0359
天の原 あさひ山より 出づればや 月の光の 昼にまがへる

 0360
有明の 月の頃にし なりぬれば 秋は夜なき 心地こそすれ

 0361
なかなかに 時々雲の かかるこそ 月をもてなす 飾りなりけれ

 0362
雲払るる 嵐の音は 松にあれや 月もみどりの 色に映えつつ

 0363
さだめなく や鳴くらん 秋の夜の 月の光を 思ひまがへて

 0364
誰もみな ことわりとこそ 定むらめ 昼をあらそふ 秋の夜の月

 0365
さえて まことに月の あかき夜は 心も空に 浮かれてぞ澄む

 0366
くまもなき 月の面に 飛ぶの 影を雲かと まがへつるかな

 0367
ながむれば いなや心の 苦しきに いたくな澄みそ 秋の夜の月

 0368
雲も見ゆ 風もふくれば 荒くなる のどかなりつる 月の光を

 0369
もろともに 影を並ぶる 人もあれや 月の洩りくる 笹の庵に

 0370
なかなかに 曇ると見えて 晴るる夜の 月は光の そふ心地する

 0371
うき雲の 月の面に かかれども はやく過ぐるは うれしかりけり

 0372
過ぎやらで 月近くゆく うき雲の ただよふ見るは わびしかりけり

 0373
厭へども さすがに雲の うち散りて 月のあたりを 離れざりけり

 0374
雲はらふ あらしに月の みがかれて 光得て澄む 秋の空かな

 0375
くまもなき 月の光を ながむれば まづ姨捨の 山ぞ恋しき

 0376
月冴ゆる あかしの瀬戸に 風ふけば こほりの上に たたむ白波

 0377
天の原 おなじ岩戸を 出づれども 光ことなる 秋の夜の月

 0378
かぎりなく 名残り惜しきは 秋の夜の 月にともなふ 曙の空

 0379
 九月十三夜
今宵はと 心得顔に すむ月の 光もてなす 菊の白露

 0380
雲きえし 秋のなかばの 空よりも 月は今宵ぞ 名におへりける

 0381
 後の九月、月をもてあそぶといふことを
月見れば 秋加はれる 年はまた あかぬ心も 空にぞありける

 0382
 月の滝を照らすを
雲消ゆる 那智のたかねに 月たけて 光をぬける 滝の白糸

 0383
 久しく月を待つ
出でながら 雲にかくるる 月影を 重ねて待つや ふたむらの山

 0384
 雲間の月を待つ
秋の夜の いさよふ山の 端のみかは 雲の絶え間も 待たれやはせぬ

 0385
 月前の薄
惜しむ夜の 月にならひて 有明の 入らぬをまねく 花薄かな

 0386
花薄 月の光に まがはまし 深きますほの 色に染めずば

 0387
 月前の荻
月すむと 荻植ゑざらん 宿ならば あはれすくなき 秋にやあらまし

 0388
 月野の花を照らす
月なくば 暮は宿へや 帰らまし 野辺には花の 盛りなりとも

 0389
 月前の野の花
花のころを 影にうつせば 秋の夜の 月も野守の 鏡なりけり

 0390
 月前草花
月の色を 花に重ねて をみなへし うは裳の下に 露をかけたる

 0391
宵の間の 露にしをれて をみなへし 有明の月の 影にたはるる

 0392
 月前の女郎花
庭さゆる 月なりけりな をみなへし 霜にあひぬる 花と見たれば

 0393
 月前虫
月のすむ 浅茅にすだく きりぎりす 露の置くにや 秋を知るらん

 0394
露ながら こぼさで折らん 月影に 小萩が枝の まつ虫の声

 0395
 深夜聞わがよとや 更けゆく空を 思ふらん 声も休まぬ きりぎりすかな

 0396
 田家の月
夕露の 玉しく小田の いな筵 かぶす穂末に 月ぞすみける

 0397
 月前の鹿
たぐひなき 心地こそすれ 秋の夜の 月すむ峯の 小牡鹿の声

 0398
 月前の紅葉
木の間洩る 有明の月の さやけきに 紅葉をそへて ながめつるかな

 0399
 霧月を隔つ
立田山 月すむ峯の かひぞなき ふもとに霧の 晴れぬかぎりは

 0400
 月前の懐旧
いにしへを 何につけてか 思ひ出でん 月さへ曇る 夜ならましかば

 0401
 月に寄する述懐
世の中の 憂きをも知らで すむ月の かげはわが身の 心地こそすれ

 0402
世の中は 曇りはてぬる 月なれや さりともと見し 影も待たれず

 0403
厭ふ世も 月澄む秋に なりぬれば 永らへずばと 思ふなるかな

 0404
さらぬだに 浮かれてものを 思ふ身の 心を誘ふ 秋の夜の月

 0405
捨てて往にし 憂き世に月の 澄まであれな さらば心の 留らざらまし

 0406
あながちに 山にのみすむ 心かな 誰かは月の 入るを惜しまぬ
スポンサーサイト
コメント
トラックバック
トラックバックURL
コメントフォーム








管理者にだけ表示を許可する






プロフィール

ことのは堂

Author:ことのは堂
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター

この人とブロともになる

QRコード
Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。