スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

西行 秋

西行 秋1


 0254
 山家の初秋
さまざまの あはれをこめて 梢吹く 風に秋知る み山辺の里
 0255
 山居の初秋
秋立つと 人は告げねど 知られけり み山のすその 風のけしきに
 
0256
 常盤の里にて、初秋月といふことを人々よみけるに
秋立つと 思ふに空も ただならで われて光を わけん三日月

 0257
 初めの秋頃、鳴尾と申す所にて、松風の音を聞きて
常よりも 秋になるをの 松風は わきて身にしむ 心地こそすれ

 0258
 七夕
急ぎ起きて 庭の小草の 露踏まん やさしき数に 人や思ふと

 0259
暮れぬめり 今日待ちつけて 七夕は うれしきにもや 露こぼるらん

 0260
天の川 今日の七日は ながき世の ためしにも引き 忌みもしつべし

 0261
船寄する 天の川辺の 夕暮は 涼しき風や 吹きわたるらん

 0262
待ちつけて うれしかるらん 七夕の 心のうちぞ 空に知らるる

 0263
 蜘蛛の巣(い)かきけるを見て
ささがにの 蜘蛛手にかけて 引く糸や けふ七夕に かささぎの橋

 0264
 草花路を遮ぎるといふことを
夕露を 払へば袖に たま消えて 路分けかぬる 小野の

 0265
 野の径
末葉吹く 風は野も狭に わたるとも 荒くは分けじ 萩の下露
 0266
 草花時を得るといふことを
いとすすき 縫はれて鹿の 臥す野辺に ほころびやすき 藤袴かな

 0267
 行路草花
折らで行く 袖にも露ぞ こぼれける 萩の葉しげき 野辺の細道

 0268
 霧中草花
穂に出づる み山がすその むらすすき に籠めて かこふ秋霧

 0269
 終日野の花を見る
乱れ咲く 野辺の萩原 分け暮れて 露にも袖を 染めてけるかな

 0270
 萩野に満つ
咲きそはん 所の野辺に あらばやは 萩よりほかの 花も見るべき

 0271
 萩野亭に満つ
分けて入る 庭しもやがて 野辺なれば 萩の盛りを わがものに見る

 0272
 野萩錦に似たり
今日ぞ知る その江に洗ふ 唐錦 萩咲く野辺に 有りけるものを

 0273
 草花を
茂りゆきし 原の下草 尾花出でて 招くは誰を 慕ふなるらん

 0274
 道に当りて繁き
花薄 心あてにぞ 分けてゆく ほの見し道の 跡しなければ

 0275
 古き籬の苅萱
籬荒れて 薄ならねど 苅萱も しげき野辺とも なりにけるものを

 0276
 女郎花
をみなへし 分けつる野辺と 思はばや 同じ露にし 濡ると見てそは

 0277
をみなへし 色めく野辺に ふればはん に露や こぼれかかると

 0278
 草花露重
今朝見れば 露のすがるに 折れ伏して 起きも上がらぬ をみなへしかな

 0279
おほかたの 野辺の露には しをるれど わが涙なき をみなへしかな

 0280
 女郎花露を帯びる
花が枝に 露の白玉 貫きかけて 折る袖濡らす をみなへしかな

 0281
折らぬより 袖ぞ濡れぬる をみなへし 露むすぼれて 立てるけしきに

 0282
 水辺の女郎花
池の面(おも)に 影をさやかに うつしても 水鏡見る をみなへしかな

 0283
たぐひなき 花の姿を をみなへし 池の鏡に うつしてぞ見る

 0284
 女郎花水に近し
をみなへし 池のさなみに 枝ひぢて もの思ふ袖の 濡るる顔なる

 0285
 荻
思ふにも 過ぎてあはれに 聞ゆるは 荻の葉乱る 秋の夕風

 0286
おしなべて 木草の末の 原までに なびきて秋の あはれ見えけり

 0287
 荻の風露を払う
牡鹿伏す 萩咲く野辺の 夕露を しばしもためぬ 荻の上風

 0288
 隣の夕の荻の風
あたりまで あはれ知れとも 言ひ顔に 荻の音こす 秋の夕風

 0289
 秋歌中に
吹きわたす 風にあはれを ひとしめて いづくもすごき 秋の夕暮

 0290
おぼつかな 秋はいかなる ゆゑのあれば すずろにものの 悲しかるらん

 0291
なにごとを いかに思ふと なけれども 袂かわかぬ 秋の夕暮

 0292
なにとなく もの悲しくぞ 見えわたる 鳥羽田の面の 秋の夕暮

 0293
 野亭の秋夜
寝覚めつつ 長きよかなと いはれ野に 幾秋さても わが身経ぬらん

 0294
 露を
おほかたの 露には何の なるならん 袂に置くは 涙なりけり

 0295
 山里に人々まかりて、秋の歌よみけるに
山里の そともの岡の 高き木に そぞろがましき 秋蝉の声

 0296
 人々秋歌十首よみけるに
玉に貫く 露はこぼれて 武蔵野の 草の葉むすぶ 秋の初風

 0297
穂に出でて 篠のをすすき 招く野に たはれて立てる をみなへしかな

 0298
花をこそ 野辺のものとは 見に来つれ 暮るれば虫の 音をも聞きけり

 0299
荻の葉を 吹き過ぎて行く 風の音に 心乱るる 秋の夕暮

 0300
はれやらぬ み山の霧の たえだえに ほのかに鹿の 声きこゆなり

 0301
かねてより 梢の色を 思ふかな 時雨はじむる み山辺の里

 0302
鹿の音を 垣根にこめて 聞くのみか 月もすみけり 秋の山里

 0303
庵にもる 月の影こそ さびしけれ 山田は引板の 音ばかりして

 0304
わづかなる 庭の小草の 白露を もとめて宿る 秋の夜の月




スポンサーサイト
コメント
トラックバック
トラックバックURL
コメントフォーム








管理者にだけ表示を許可する






プロフィール

ことのは堂

Author:ことのは堂
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター

この人とブロともになる

QRコード
Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。