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西行 春

西行 春3

0085
裾野焼く 煙ぞ春は よしの山 花をへだつる 霞なりける
 0086
今よりは 花見ん人に 伝へおかん 世を遁(のが)れつつ 山に住まへと
 
0087
 静かならんと思ひける頃、花見に人々のまうで来たりければ
花見にと 群れつつ人の 来るのみぞ あたら桜の とがにはありける

 0088
花も散り 人も来ざらん をりはまた 山のかひにて 長閑なるべし

 0089
 かき絶えこと問はずなりにける人の、花見に山里へまうで来たりと聞きて、よみける
年を経て 同じこずゑに 匂へども 花こそ人に 飽かれざりけれ

 0090
 花の下にて、月を見てよみける
雲にまがふ 花の下にて ながむれば に月は 見ゆるなりける

 0091
 春の花見けるに、のなきければ
花の色や 声に染むらん うぐひすの 鳴く音(ね)ことなる 春のあけぼの

 0092
 春は花を友といふことを、せか院斎院にて人々よみけるに
おのづから 花なき年の 春もあらば 何につけてか 日を暮らすべき

 0093
 老いて花を見るといふことを
思ひ出でに 何をかせまし この春の 花待ちつけぬ わが身なりせば

 0094
 ふる木の桜の所々咲きたるを見て
わきて見ん 老木(おいき)は花も あはれなり 今いくたびか 春にあふべき

 0095
 屏風の絵を人々よみけるに、春の宮人群れて花見ける所に、よそなる人の見やりて立てりけるを
木(こ)のもとは 見る人しげし 桜花 よそにながめて 香をば惜しまん

 0096
 山寺の花盛りなりけるに、昔を思ひ出でて
吉野山 ほきぢ伝ひに たづね入りて 花見し春は ひと昔かも  (歩岐路・歩危路…険しい崖道)

 0097
 修行し侍りけるに、花のおもしろかりける所にて
ながむるに 花の名立の 身ならずは この里にてや 春を暮らさん  (なだて。浮き名)

 0098
 熊野へまゐりけるに、八上(やがみ)王子の花面白かりければ、社(やしろ)に書きつけける
待ち来つる 八上の桜 咲きにけり あらくおろすな みすの山風

 0099
 せか院の花盛りなりける頃、としたかのもとよりいひ送られける
おのづから 来る人あらば もろともに ながめまほしき 山桜かな

 0100
 返し
ながむてふ 数に入るべき 身なりせば 君が宿にて 春は経ぬべし

 0101
 上西門院の女房法勝寺の花見侍りけるに、雨の降りて暮れにければ帰られにけり。またの日、兵衛の局(つぼね)の許(もと)へ、みゆき思ひ出でさせ給ふらんとおぼえて、かくなん申さまほしかりしとて、遣はしける
見る人に 花も昔を 思ひ出でて 恋しかるべし 雨にしをるる

 0102
 返し
いにしへを しのぶる雨と 誰か見ん 花もその世の 友しなければ
 若き人々ばかりなん。老いにける身は風の煩わしさにいとはるることにて、とありける、やさしく聞えけり

 0103
 雨の降りけるに、花の下にて車たてて眺めける人に
濡るともと かげをたのみて おもひけん 人のあとふむ 今日にもあるかな

 0104
 世を遁れて東山に侍りける頃、白川の花盛りに、人誘ひければ、まかりて、帰りて昔思ひ出でて
散るを見で 帰る心や 桜花 昔に変はる しるしなるらん

 0105
 山路の落花
散り初むる 花の初雪 降りぬれば 踏み分けま憂き 志賀の山越え

 0106
 落花の歌あまたよみけるに
勅(ちょく)とかや 下す帝(みかど)の いませかし さらばおそれて 花や散らぬと

 0107
波もなく 風ををさめし 白川の 君のをりもや 花は散りけん

 0108
いかでわれ この世のほかの 思ひ出でに 風をいとはで 花をながめん

 0109
年を経て 待つも惜しむも 山桜 心を春は 尽くすなりけり

 0110
吉野山 谷へたなびく 白雲は の桜の 散るにやあるらん

 0111
吉野山 峯なる花は いづかたの 谷にか分きて 散りつもるらん

 0112
山おろしの 木のもと埋む 春の雪は 岩井に浮くも 氷とぞ見る

 0113
春風の 花の吹雪に 埋まれて ゆきもやられぬ 志賀の山路

 0114
立ちまがふ 峯の雲をば はらふとも 花を散らさぬ 嵐なりせば

 0115
吉野山 花吹き具して 峯越ゆる 嵐は雲と よそに見ゆらん

 0116
惜しまれぬ 身だにも世には あるものを あなあやにくの 花の心や

 0117
憂き世には 留め置かじと 春風の 散らすは花を 惜しむなりけり

 0118
もろともに われをも具して 散りね花 憂き世をいとふ 心ある身ぞ

 0119
思へただ 花の散りなん 木のもとに 何をかげにて わが身住みなん

 0120
ながむとて 花にもいたく 馴れぬれば 散る別れこそ 悲しかりけれ

 0121
惜しめども 思ひげもなく あだに散る 花は心ぞ かしこかりける

 0122
梢ふく 風の心は いかがせん したがふ花の 恨めしきかな

 0123
いかでかは 散らであれとも 思ふべき しばしと慕ふ 歎き知れ花

 0124
木(こ)のもとの 花に今宵は 埋(うず)もれて あかぬ梢を 思ひあかさん

 0125
木のもとに 旅寝をすれば 吉野山 花のふすまを 着する春風

 0126
雪と見えて 風に桜の 乱るれば 花の笠きる 春の夜の月

 0127
散る花を 惜しむ心や とどまりて また来ん春の たねになるべき

 0128
春ふかみ 枝もゆるがで 散る花は 風のとがには あらぬなるべし

 0129
あながちに 庭をさへはく 嵐かな さこそ心に 花をまかせめ

 0130
あだに散る さこそ梢の 花ならめ 少しは残せ 春の山風







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