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夏目漱石 冬

夏目漱石 冬7

置炬燵(おきごたつ)

病あり二日を籠る置炬燵  



覚めて見れば客眠りけり炉のわきに  


榾火(ほたび)

乳兄弟(ちきょうだい)名乗り合たる榾火哉  

榾(ほた)の火や昨日碓氷(うすい)を越え申した  

梁山泊毛脛の多き榾火哉  

裏表(うらおもて)濡れた衣(きぬ)干す榾火哉  

山賊の顔のみ明かき榾火かな  


火鉢()

客僧の獅噛付(しがみつき)たる火鉢哉  

冷たくてやがて恐ろし瀬戸火鉢  

親展(しんてん)の状(じょう)燃え上る火鉢哉  

黙然と火鉢の灰をならしけり  

玉葱の煮えざるを焦(こが)つ火鉢哉  

寄り添へば冷たき瀬戸の火鉢かな  

足袋(くつたび)のあみかけてある火鉢哉  

横顔の歌舞伎に似たる火鉢哉  


火桶(ひおけ) 

僧俗の差し向ひたる火桶哉  

六波羅へ召(めさ)れて寒き火桶哉  


桐火桶(きりひおけ) 

五つ紋それはいかめし桐火桶  

物語る手創(てきず)や古(ふ)りし桐火桶  


行火(あんか)
御家人(ごけにん)の安火を抱くや後風土記(ごふうどき)  


湯婆(たんぽ)


亡骸に冷え尽したる煖甫(たんぼ)哉  

なき母の湯婆(たんぽ)やさめて十二年  

湯婆とは倅のつけし名なるべし  

たゞ一つ湯婆残りぬ室(へや)の隅  


炉開き

炉開きや仏間(ぶつま)に隣(とな)る四畳半  

炉開きに道也(どうや)の釜を贈りけり  


口切(くちきり)

口切や南天の実の赤き頃  

口切にこはけしからぬ放屁哉  

吾妹子(わぎもこ)を客に口切る夕(ゆうべ)哉  


夜興引(よこびき)はたと逢ふ夜興引(こひき)ならん岩の角(かど)  


鷹狩(鷹野)

鷹狩や時雨にあひし鷹のつら  

竹藪雉子鳴き立つる鷹野哉  


網代守(あじろもり)

なき母の忌日(きじつ)と知るや網代守 

静かなる殺生なるらし網代守  

くさめして風引きつらん網代守  

焚火して居眠りけりな網代守  


炭焼
炭焼の斧振り上ぐる嵐哉  


焚火

焚火して居眠りけりな網代守  

湖は氷の上の焚火哉  


雪見

病む人の巨燵離れて雪見かな  


雪礫(ゆきつぶて)

黒塀(くろべい)にあたるや妹(いも)が雪礫  

女の(めのわらわ)に小冠者(こかじゃ)一人や雪礫  


雪達磨

本来の面目如何(めんもくいかん)雪達磨  


鼻かぜ 

水仙の花鼻かぜの枕元  


くさめ

くさめして風引きつらん網代守  


煤払(すすはらい)

長松(ちょうまつ)は蕎麦が好きなり煤払  

むつかしや何もなき家(や)の煤払  

煤払承塵(しょうじん)の槍を拭(ぬぐ)ひけり  

水仙は屋根の上なり煤払  

先生や屋根に書を読む煤払  


節季候(せっきぞろ)

絵にかくや昔男(むかしおとこ)の節季候  


古暦(ふるごよみ)

餅を切る庖丁鈍(にぶ)し古暦  


年忘れ 

年忘れ腹は中々切りにくき
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