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夏目漱石 冬

夏目漱石 冬6

納豆売り


親の名に納豆売る児の憐れさよ  

からつくや風に吹かれし納豆売  


乾鮭(からざけ)

乾鮭と並ぶや壁の棕櫚箒(しゅろぼうき)  

河岸(うおがし)や乾鮭洗ふ水の音  

乾鮭のからついてゐる柱かな  

乾鮭や薄く切れとの仰せなり  


雑炊 

懇ろに雑炊たくや小夜時雨(さよしぐれ)  

雑炊や古き茶碗冬籠  


焼芋 

焼芋を頭巾に受くる和尚哉  




餅を切る庖丁鈍し古(ふるごよみ)  


餅搗(もちつき)
餅搗や小首かたげし鶏の面 

餅搗や明星(みょうじょう)光る杵(きね)の先  


餅の音

寐て聞くやぺたりぺたりと餅の音  


水餅

手を入るゝ水餅白し納屋 


納豆汁

寺や丹田からき納豆汁  


汁(かぶらじる)

挙(こ)して曰く可なく不可なし蕪汁  


薬喰(くすりぐい)

此頃は女にもあり薬喰  

薬喰夫(それ)より餅に取りかゝる  

落付(おちつく)や疝気も一夜(ひとよ)薬喰  


風呂吹き

雛僧(すうそう)の只風呂吹(ふろふき)と答へけり  

善か悪か風呂吹を喰つて我点(がてん)せよ  

風呂吹きや頭の丸き影二つ  


湯豆腐

湯豆腐に霰(あられ)飛び込む床几哉  


冬構()

門閉ぢぬ客なき寺の冬構  

砂浜や心元なき冬構  


冬籠り

淋しいな妻ありてこそ冬籠  

塵も積れ払子(ほっす)ふらりと冬籠り  

人か魚(うお)か黙然として冬籠り  

愚陀仏(ぐだぶつ)は主人の名なり冬籠  

けにはごと味噌贈れ冬籠  

冬籠り小猫も無事で罷()りある  

冬籠り黄表紙あるは赤表紙  

冬籠米搗(こめつ)く音の幽(かす)かなり  

雑炊や古き茶碗に冬籠  

聾(つんぼ)なる僕藁(ぼくわら)を打つ冬籠  

親子してことりともせず冬籠  

医はやらず歌など撰(せん)し冬籠  

力なや油なくなる冬籠  

焚(たい)て冬籠して居るよ  

冬籠弟は無口にて候  

冬籠り染井(そめい)の墓地を控へけり  




此炭の喞(かこ)つべき世をいぶるかな  

炭を積む馬の脊に降る雪まだら  


堅炭(かたずみ)

堅炭の形ちくづさぬ行衛(ゆくえ)哉  


炭売 

炭売の後をこゝまで参りけり  

炭売の鷹括(くく)し来る城下哉  


埋火(うずみび)
埋火や南京茶碗塩煎餅 (なんきんちゃわんしおせんべい) 

埋火に糞(ふん)の落ちにけり  

暁の埋火消ゆる寒さ哉  


炭団(たどん)

炭団いけて雪隠詰の工夫哉  


火燵(こたつ)

病む人の巨燵離れて雪見かな  

来ぬ殿に寐覚(ねざめ)物うけ火燵かな  

衣(きぬ)脱(ぬい)だ帝(みかど)もあるに火燵哉  

雪の日や火燵をすべる土佐日記  

応々と取次に出ぬ火燵哉  

巨燵にて一筆しめし参らせう  

老たんのうとき耳ほる火燵かな  

火燵して得たる将棋詰手
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