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夏目漱石 冬

夏目漱石 冬4


玉霰(たまあられ)

絶頂に敵の城あり玉霰  

恐ろしき岩の色なり玉霰  

つるぎ洗ふ武夫(もののふ)もなし玉霰  

(しも)


秋さびて霜に落けり柿一つ  

霜の朝時計(たもとどけい)のとまりけり  

応永(おうえい)の昔しなりけりの霜  

橋の霜継(つぎ)て渡れと書き残す  

(だん)築(つき)て北斗祭るや剣の霜  

かしこしや未来を霜の笹結び  

ホーと吹(ふい)て鏡拭(ぬぐ)ふや霜の朝  

月にうつる擬宝珠の色やとくる霜  

生残る吾恥かしや(びん)の霜  


初雪 


初雪や庫裏(くり)真鴨(まがも)をたゝく音  

初雪や小路(こみち)へ入る納豆売(なっとうり)  

寐る門を初雪ぢやとて叩きけり  





緑竹(りょくちく)の猗々(いい)たり霏々(ひひ)と雪が降る  

京や如何(いか)に里は雪積む峰もあり  

あら鷹の鶴蹴落すや雪の原  

頭巾きてゆり落しけり竹の雪  

雪の日や火燵(こたつ)をすべる土佐日記  

雪深し出家を宿(やど)し参らする  

雨に雪霰となつて寒念仏(かんねんぶつ)  

雪霽(はれ)たり竹婆娑々々(ばさばさ)と跳返る  

静かさは竹折る雪に寐かねたり  

いざや我虎穴に入らん雪の朝  

一つ家(ひとつや) のひそかに雪に埋れけり  

疝気持(せんきもち)雪にころんで哀れなり  

降る雪よ今宵ばかりは積れかし  

雪ながら書院あけたる牡丹哉  

吉良殿のうたれぬ江戸は雪の中  

面白し雪の中より出る蘇鉄(そてつ)  

雪になつて用なきわれに合羽あり  

扶(たす)けられて背(はい)危し雪の客  

戸を開けて驚く雪の晨(あした)かな  

降りやんで蜜柑まだらに雪の舟  

二世(にせ)かけて結ぶちぎりや雪の笹  

帽頭(ぼうとう)や思ひがけなき岩の雪  

僧に似たるが宿り合せぬ雪今宵  

雪ちらちら峠にかかる合羽かな  

払へども払へどもわが袖の雪  

吹きまくる雪の下なり日田の町  

炭を積む馬の脊に降る雪まだら  

雪の客僧に似たりや五七日 (ごしちにち) 

雪を煮て煮立(にえた)つ音の涼しさよ  

たゝむに雪の重みや湯屋(ゆや)の門  

雪の夜や佐野にて食ひし(あわ)の飯  


積雪

積雪や血痕絶えて虎の穴  

水青し土橋の上に積る雪  


大雪 


大雪や壮夫(ひぐま)を護(え)て帰る  


吹雪


あまた度(たび)馬の嘶(いなな)く吹雪哉  

東西南北(ひがしにしみなみきた)より吹雪哉  

家も捨て世も捨てけるに吹雪哉  

源蔵(げんぞう)の徳利(とくり)をかくす吹雪哉  

まさなくも後ろを見する吹雪哉  

廻廊に吹きこむ海の吹雪かな  

目ともいはず口ともいはず吹雪哉  

漸(ようや)くに又起きあがる吹雪かな  

棒鼻(ぼうばな)より三里と答ふ吹雪哉  

馬に蹴られ吹雪の中に倒れけり  

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