スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏目漱石 冬

夏目漱石 冬2

冬の日

冬の日や茶色の裏は(こん)の山  

白馬遅々たり冬の日薄き砂堤(すなづつみ)  

山寺や冬の日残る海の上  

文債(ぶんさい)に籠る冬の日短かゝり  


短日


柿落ちてうたゝ短かき日となりぬ  


寒夜


寒き夜や馬は頻(しき)りに羽目を蹴る  


夜(しもよ)


星一つ見えて寐られぬ霜夜哉  


冷たし 


つめたくも南蛮鉄の具足哉  



寒し

何となく寒いと我は思ふのみ  

夜や更(ふけ)ん庭(にわび)に寒き古(ふるやしろ)  

夕日寒く紫の雲崩れけり  

山陰に熊笹(くまざさ)寒し水の音  

蛇を斬つた岩(いわお)と聞けば(ふち)寒し  

龍寒し絵筆抛(なげう)つ古法眼(こほうげん)  

六波羅へ召(され)れて寒き火桶(ひおけ)哉  

剣寒し闥(たつ)を排して樊かいが  

天草(あまくさ)の後ろに寒き入日かな  

僧帰るの裡(うち)こそ寒からめ  

巌窟羅漢共こそ寒からめ  

泊り合(あわ)す旅商人の寒がるよ  

只寒し天狭くして水青く  

ニッケルの時計とまりぬ寒き夜半(よわ)  

花売に寒し真珠の耳飾  

ともし寒く梅花書屋(ばいかしょや)と題しけり  

只寒し封を開(ひら)けば影法師  


弁慶五条の月の寒さ哉  

四壁(しへき)立つらんぷ許(ばか)りの寒哉  

疝気持(せんきもち)臀(しり)安からぬ寒哉  

辻の月座頭を照らす寒さ哉  

里神楽(さとかぐら)寒さにふるふ馬鹿の面  

仲仙道(なかせんどう)夜汽車に上(のぼ)る寒さ哉  

西行の白状したる寒さ哉  

温泉(ゆ)をぬるみ出るに出られぬ寒さ哉  

本堂は十八(じゅうはちけん)の寒さ哉  

碧譚(へきたん)に木の葉の沈む寒哉  

暁の埋火(うずみび)消ゆる寒さ哉  

うつむいて膝にだきつく寒哉  

雪洞(ぼんぼり)の廊下をさがる寒さ哉  

つい立(たての龍蟠(わだか)まる寒さかな  

村長の羽織短かき寒哉  

革羽織(かわばおり)古めかしたる寒かな  

野を行けば寒がる吾を風が吹く  

夕日逐(お)ふ乗合馬車の寒かな  

大将は五枚しころの寒さかな  

提灯(むちょうちん)で枯野を通る寒哉  

暗がりに雑巾を踏む寒哉  

巌頭(がんとう)に本堂くらき寒かな  

新道は一直線の寒さかな  

立ん坊の地団太を踏む寒かな  

べんべらを一枚着たる寒さかな  

追分(おいわけ)で引き剥がれたる寒かな  

白金(しろがね)に黄金(こがね)に柩(ひつぎ)寒からず  

三階に独り寐に行く寒かな  

内陣(ないじん)に仏の光る寒哉  2320


寒気(かんき)

(しょく)つきつ墨絵(すみえ)の達磨(だるま)寒気なる  


春待つ


春待つや云(い)へらく無事は是(これ) 貴人  

春を待つ下宿の人や書一巻  

春を待つ支那水仙(しなすいせん)や浅き鉢(はち)  

温泉(おんせん)に信濃の客や春を待つ  
スポンサーサイト
コメント
トラックバック
トラックバックURL
コメントフォーム








管理者にだけ表示を許可する






プロフィール

ことのは堂

Author:ことのは堂
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター

この人とブロともになる

QRコード
Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。