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夏目漱石 冬

夏目漱石 冬1


何をつゝき鴉あつまるの畠(はた)  

如意払子(にょいほっす)懸けてぞ冬を(いお)の壁  2289


初冬 


初冬や竹切る山の鉈の音  

初冬や向上の一路(いちろ)未(ま)だ開(あ)かず  

初冬を刻むや烈士喜剣(きけん)の碑  

初冬の面白の音(ね)じめ哉  


神無月


脊戸(せど)の蜜柑も今や神無月  

空狭き都に住むや神無月  


冬来たる 


冬来たり袖手(しゅうしゅ)して書を傍観す  


冬ざれ 


冬ざれや青きもの只菜大根  

冬ざれや狢(むじな)をつるす(のき)の下  


小春 


草山の重なり合へる小春哉  

病む人に鳥鳴き立(たて)る小春哉  

橋立(はしだて)の一筋長き小春かな  

武蔵下総(むさししもうさ)山なき国の小春哉  

綿衣(こわたぎぬ)虱の多き小春哉  

女の子発句(ほっく)を習ふ小春哉  

山路(やまじ)来て馬やり過す小春哉  

(あなへび)の穴を出でたる小春哉  

山勢(さんせい)の蜀につらなる小春かな  

生垣の上より語る小春かな  

小春半時(はんとき)野川(のがわ)を隔(へだ)て語りけり  

居眠るや黄雀堂(こうじゃくどう)に入(い)る小春  

家富んで窓に小春の日陰かな  


小春日


小春日や茶室を開き南向  


師走

市中(いちなか)は人様々(さまざま)の師走哉  

納豆を檀家へ配る師走哉  

茶煙禅榻(さえんぜんとう)外は師走の日影哉  

酔て叩く門や師走の月の影  

家を出て師走の雨に合羽哉  

かんてらや師走の宿に寐つかれず  

温泉(おんせん)の門(もん) に師走の熟柿かな  

水仙や早稲田の師走三十日 


年の暮


太刀一つ屑屋に売らん年の暮  

志はかくあらましを年の暮  

穢多寺(えたでら)へ嫁ぐ憐れや年の暮  

染め直す古服(ふるふく)もなし年の暮  

やかましき(しゅうと)健(けん)なり年の暮  


年暮る 


旅にして申訳なく暮るゝ年  


行く年


行年や刹那を急ぐ水の音  

行年や実盛(さねもり)ならぬ白髪武者  

行年や仏ももとは凡夫(ぼんぷ) なり  

行く年や膝と膝とをつき合せ  

行年を家賃上げたり麹町(こうじまち)  

行年を妻炊(かし)ぎけり粟(あわ)の飯  

行く年やうづくまる膝の上  

行く年の左(さ)したる思慮もなかりけり  

行く年を隣の娘遂に嫁(とつ)せず  


大晦日


屑買(くずかい)に此髭(このひげ)売らん大晦日  

(しょく)きつて暁(あかつき)ちかし大晦日  


除夜


うき除夜を壁に向へば法師  

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