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夏目漱石 秋

夏目漱石 秋9

蜻蛉(とんぼ)

大藪(おおやぶ)や数を尽(つく)して蜻蛉とぶ  

蜻蛉や杭(くい)を離るゝ事二寸  

つるんだる蜻蛉飛ぶなり水の上  

蜻蛉(せいれい)の夢や幾度(いくたび)杭(くい)の先  

蜻蛉(せいれい)や留り損ねて羽(は)の光  

勾欄(こうらん)の擬宝珠(ぎぼし)に一つ蜻蛉哉  


精霊蜻蛉

まのあたり精霊(しょうりょう)来たり筆の先


赤蜻蛉 

南窓(なんそう)に写真を焼くや赤蜻蛉  

生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉  

肩に来て人懐かしや赤蜻蛉  


虫 

虫遠近(おちこち)病む夜(よ)ぞ静なる心


蟋蟀(こおろぎ)(虫偏と車)

こうろげの飛ぶや木魚の声の下  

こうろげのふと鳴き出しぬ鳴きやみぬ  

こうろげよ秋ぢゃ鳴かうが鳴くまいが  


蟋蟀(きりぎりす

通夜僧(つやそう)の経(きょう)の絶間(たえま)やきりぎりす  

張(はり)まぜの屏風になくや蟋蟀  

暗室や心得たりときりぎりす  

きりぎりすの昔を忍び帰るべし  

思ひけり既に幾夜の蟋蟀  
 

轡虫(くつわむし) 

轡虫すはやと絶(たえ)ぬ笛の音


蟷螂(とうろう) 

蟷螂のさりとては又推参な  

蟷螂の何を以てか立腹す  


蓑虫鳴く

蓑虫のなくや長夜のあけかねて  


木槿(むくげ)

縄簾裏をのぞけば木槿かな  


芙蓉(ふよう) 

白露(しらつゆ)や芙蓉したたる音すなり  

反橋(そりばし)の小さく見ゆる芙蓉哉  

垣間(かいま)見る芙蓉に露の傾きぬ  

(おおつづみ)芙蓉の雨にくれ易し  

露(つゆ)けさの庵(いおり)を繞(めぐ)りて芙蓉かな


木瓜(ぼけ)の実 

木瓜の花の役にも立たぬ実となりぬ

木瓜の実や寺は黄檗(おうばく)僧は  




堅き梨に鈍(にぶ)き刃物を添(そえ)てけり


 柿

秋さびて霜(しも)に落けり柿一つ  

わがやどの柿熟したり鳥来たり  

柿売るや隣の家は紙を漉(す)く  

此里(このさと)や柿渋からず夫子(ふうし)住む  

南九州に入つて柿既に熟す  

就中(なかんずく)うましと思ふ柿と栗  

柿一つ枝に残りて烏(からす)哉


渋柿

渋柿や寺の後の芋畠  

掛稲やしぶがき垂るる門構  

渋柿の下に稲こぐ夫婦かな  

渋柿やあかの他人であるからは  

能もなき渋柿どもや門の内  

渋柿や長者と見えて岡の家  

渋柿やにくき庄屋の門構  

渋柿も熟れて王維の詩集哉  


渋柿

渋柿や寺の後の芋畠  

掛稲(かけいね)やしぶがき垂るる門構  

渋柿の下に稲こぐ夫婦かな  

渋柿やあかの他人であるからは  

能もなき渋柿どもや門の内  

渋柿や長者と見えて岡の家  

渋柿やにくき庄屋の門構  

渋柿も熟れて王維の詩集哉  




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