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夏目漱石 秋

夏目漱石 秋8

鶉(うずら) 

後に鳴き又先に鳴きかな  

重なるは親子か雨に鳴く鶉  

手を分(わか)つ古き都や鶉鳴く  

寐てゐれば粟(あわ)に鶉の興(きょう)もなく  


鴫(しぎ)

立つや礎(いしずえ)残る事五十


 

便船(びんせん)や夜(よ)を行く雁のあとや先  

ぢやとて鳴ぬものかは妻ぢやもの  

竿になれ(くぎ)になれ此処(ここ)へおろせ雁  

胡児(こじ)驕(おご)つて驚きやすし雁の声  

一人住んで聞けば雁なき渡る  

かりがねの斜(ななめ)に渡る帆綱(ほづな)かな  

北窓は鎖(とざ)さで居たり月の雁  

傾城に鳴くは故郷の雁ならん  

夕雁(ゆうかり)や物荷(ものにな)ひ行く肩の上  

灯(ひ)を入るゝ軒行燈(のきあんどん)や雁低し  

帆柱をかすれて月の雁の影  

客となつて沢国(たつこく)に雁の鳴く事多し  

遠近(おちこち)の砧(きぬた)に雁の落るなり  

提灯に雁落つらしも闇の畔(あぜ)  

逝く人に留(とど)まる人に来(きた)る雁  

鶏頭(けいとう)に後(おく)れず或夜月の雁  

たゞ一羽来(く)る夜(よ)ありけり月の雁  

饅頭は食つたと雁に言伝(ことづて)よ  


雁渡る

雁や渡る乳玻璃(ちはり)に細き灯(ひ)を護(まも)る


渋鮎(さびあゆ)

瀬の音や渋鮎淵を出で兼る  

鮎渋ぬ降り込められし山里に  

塩焼や鮎に渋びたる好みあり  


(すずき) 

鱸魚(すずき)肥えたり楼に登れば風が吹く  

鱸釣つて舟を間(あしま)や秋の空  


秋の蚊 

刺さずんば已(や)まずと誓ふ秋の蚊や  

秋の蚊と夢油断ばしし給ふな  

秋のの鳴かずなりたる書斎かな  

秋の蚊や我を螫(さ)さんと夜明方  


秋の

痩馬の尻こそはゆし秋の蠅  

秋の蠅握つて而(そ)して放したり


秋の蝶
離れては寄りては菊の蝶一つ  

蝶来(きた)りしほらしき名の江戸菊()に  

古ぼけし油絵をかけ秋の蝶  

病む日又簾(れん)の隙より秋の蝶


秋の蝉

秋の蝉死に度(た)くもなき声音(こわね)かな  

長からぬ命をなくや秋の蝉  


つくつく法師

鳴き立てゝつくつく法師死ぬる日ぞ



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