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漱石俳句 春

夏目漱石 春1

時候

の背で船漕ぎ出すや春の旅

春三日よしのゝ桜一重なり  

春大震(だいしん)塔も擬宝珠(ぎぼし)もねぢれけり  

奈良の春十二神将剥げ尽せり  

蘭燈(らんとう?ランタン?)に詩をかく春の恨み哉  

春恋し朝妻船に流さるゝ  

春もうし東楼西家(とうろうさいか)何歌ふ  

春に入(い)つて近頃青し鉄行燈

思ひ出すは古白と申す春の人

名乗りくる小さき春の夜舟かな

岩を廻(まわ)る水に浅きを恨む春  

薫ずるは大内といふ香や春  

住吉の絵巻を写し了(おわ)る春  

春は物の句になり易し古短冊(こたんざく)

山高し動ともすれば春曇る  

を切る板は五尺の春の(たるき?えん?)

眸(め)に入る富士大いなり春の楼

春此頃化石せんとの願あり  

人の上春を写すや絵そら言  

短冊(たんざく)元禄の句や京の春  

春や今宵歌つかまつる御姿

うた折々月下の春ををちこちす

思ひ切つて更け行く春の独りかな

空に消ゆる鐸(たく)のひびきや春の塔  

春はものゝ句になり易し京の町  

骨の上に春滴るや粥(かゆ)の味

腸(はらわた)に春滴るや粥の味

錦画や壁に寂びたる江戸の春

春の発句よき短冊に書いてやりぬ

竹の垣結んで春の庵哉


京楽の水注(みずさし?みずつぎ?)買ふや春の町

見連(けんれん)に揃(そろい)の簪(かんざし)土間の春  

春の顔真白に歌舞伎役者哉

局(きょく)に閑あり静かに下(おろ)す春の石

孟宗の根を行く春の筧(かけい)哉  

煮て食ふかはた焼いてくふか春の魚  



立春

鳩鳴いて烟(けむり)の如き春に入る



春浅し

そゝのかす女の眉や春浅し

塩辛を壺に探るや春浅し

名物の椀の蜆(しじみ)や春浅し

三味線に冴えたる撥(ばち)の春浅し

海見ゆる高どのにして春浅し

白き皿に絵の具を溶けば春浅し


浅き春

筍(タケノコ)は鑵詰(かんづめ)ならん浅き春



冴返(さえかえ)る

冴返る頃を御厭(おいと)ひなさるべし  

居風呂(すえぶろ)に風ひく夜や冴返る  

頃しもや越路(こしじ)に病んで冴返る  

酒醒(さめ)て梅白き夜の冴返る  

きぬぎぬの鐘につれなく冴え返る  

人に死し鶴に生れて冴返る

真蒼(まっさお)な木賊(とくさ)の色や冴返る

僧となつて鐘を撞いたら冴返る


余寒

疝(せん)は御大事余寒(よかん)烈しく候へば


春寒し

春寒し印陀羅(インダラ)といふ画工あり

春寒し墓に懸けたる季子(きし)の剣

春寒(はるさむ)の社頭(しゃとう)に鶴を夢みけり

春寒し未だ狐の裘(かわごろも)

銀屏(ぎんびょう)に墨(スミ)もて梅の春寒し

酒の燗(かん)此頃春の寒き哉

晧(しろ)き歯に酢貝(すがい)の味や春寒し




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