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夏目漱石 夏

夏目漱石 夏1



蓮(はす)毎に来(きた)るべし新たなる夏


五月

蝸牛(ででむし)や五月(ごがつ)をわたるふきの茎(くき)


卯月うづき

溜池闘ふ卯月かな


夏来る 

夏来ぬとまた長鋏(ちょうきょう)を弾ずらく


麦の秋

鞭鳴す馬車の埃や麦の秋


短夜
短夜の芭蕉は伸びて仕まひけり

短夜の夢思ひ出すひまもなし

短夜を君と寐ようか二千石とらうか

楽(がく)に更けて短き夜なり公使館

行燈(あんどん)や短かゝりし夜の影ならず

短夜や夜討をかくるひまもなく

短夜を交す言葉もなかりけり


明け易き

明けやすき夜(よ)ぢやもの御前時鳥(ごぜんほととぎす)

引窓をからりと空の明け易き


暑(あつさ)

塵埃(ちりほこ)り晏子(あんし)の御者の暑哉  

袖腕(そでうで)威丈高なる暑かな

銭湯に客のいさかふ暑かな

あつきものむかし大坂夏御陣(ごじん)
夕日さす裏は磧(かわら)のあつさかな

泳ぎ上がり河童驚く暑かな

阿呆鳥熱き国にぞ参りける

赤き日の海に落込む暑かな

日は落ちて海の底より暑かな


暑苦し

あつ苦し昼寐の夢に蝉の声



涼し

藪陰(やぶかげ)に涼んでにぞ喰はれける

涼しさや昼寐の夢にの声  

涼しさの闇を来るなり須磨の浦

涼しさの目に余りけり千松島(ちまつじま)

涼しさや大釣鐘(おおつりがね)を抱て居る

涼しさや山を登れば岩谷寺(いわやでら)

涼しさや水干(すいかん)着たる白拍子

すゞしさや裏は鉦(かね)うつ光琳寺(こうりんじ)
涼しさや門にかけたる橋斜め

淙々(そうそう)と筧(かけい)の音のすゞしさよ

涼しさや奈良の大仏腹の中

床(とこ)に達磨(だるま)芭蕉涼しく吹かせけり

我も人も白きもの着る涼みかな  

満潮(まんちょう)や涼んで居れば月が出る

顔にふるゝ芭蕉涼しや籐の寝椅子(とのねいす)

涼しさや石握り見る掌(たなごころ)

見るからに涼しき宿や谷の底  

愚かければ独りすゞしくおはします

無人島の天子とならば涼しかろ

能もなき教師とならんあら涼し

蚊帳(かや)青く涼しき顔にふきつける

見るからに涼しき島に住むからに  

髪に真珠肌あらはなる涼しさよ  

涼しさや蚊帳の中より和歌の浦

壁に脊(せ)を涼しからんの裸哉

水盤(すいばん)に雲呼ぶ石の影すゞし


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