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漱石俳句 春

夏目漱石 春14

連翹(レンギョウ)
連翹に小雨来(きた)るや八っ時分

連翹の奥やを打つ石の音


海棠(かいどう)

海棠の露をふるふや物狂ひ
海棠の精が出てくる月夜かな

海棠の露をふるふや朝烏(あさがらす)


つつじ
つゝじ咲く岩めり込んで笑ひ声


木蓮(もくれん)
木蓮の花許(ばか)りなる空を瞻(み)る

木蓮に夢の様なる小雨哉

木蓮と覚しき花に月朧


藤の花
藤の花本妻(ほんさいあま)になりすます

水に映る藤紫(ふじむらさき)(こいひ)なり

禰宜(ねぎ)の子の烏帽子つけたり藤の花

藤の花に古き四尺(ししゃく)の風が吹く


山吹
馬の息山吹(やまぶき)散つて馬士(まご)も無し

山吹に里の子見えぬ田螺(たにし)かな

奈古寺や七重山吹八重桜

山吹の淋しくも家の一つかな


白桃(はくとう)

白桃や瑪瑙(めのう)(おさ)で織る錦

桃の花民天子(たみてんし)の姓を知らず  

酢熟して三聖顰(ひん)す桃の花

姉様に参らす桃の押絵かな

杳(よう)として桃花(とうか)に入(い)るや水の色

寺町やの隙より桃の花

桃の花隠れ家なるに吠ゆる犬

桃の花家に唐画(とうが)を蔵(かく)しけり

桃咲くやいまだに流行る漢方医

輿(こし)に乗るは帰化の僧らし桃の花

儒者の玄関構(げんかんがまえ)や桃の花

文も候(そろ)稚子(ちご)に持たせて桃の花

桃に琴弾くは心越禅師哉(しんえつぜんじかな) 


梨の花

待つ宵の夢ともならず梨の花


柳の芽

柳芽を吹いて四条のはたごかな


枸杞(くこ)

枸杞の垣(かき)田楽(でんがく)焼くは此奥(このおく)か




春雨や柳の中を濡れて行く

見返れば又一(またひと)ゆるぎ柳かな

春の川橋を渡れば柳哉

辻駕籠(つじかご)に朱鞘しゅざや)の出たる柳哉

唐人(とうじん)の飴売(あめうり)見えぬ柳かな

柳垂れて江(え)は南に流れけり

柳あり江あり南画に似たる吾  

柳ありて白き家鴨(あひる)に枝垂(しだれ)たり

鳥籠を柳にかけて狭き庭

有耶無耶(うやむや)の柳近頃緑也

(しょうとろう)離別を語る柳哉  

郎を待つ待合茶屋の柳かな

郎去つて柳空しく緑なり

自転車を輪に乗る馬場の柳かな

も柳も青き住居(すまい)かな

居士(こじ)が家を柳此頃蔵(かく)したり

冠(かんむり)を挂(か)けて柳の緑哉

縄暖簾(なわのれん)くゞりて出れば柳哉

引かゝる護謨風船や柳の木  

驢(ろ)に騎して客来る門の柳哉

見上ぐれば坂の上なる柳哉

家形船着く桟橋の柳哉  

馬を船に乗せて柳の渡(わたし)哉  

料理屋の塀(へい)から垂れて柳かな


青柳(あおやなぎ、あおやぎ)

青柳(あおやなぎ)擬宝珠の上に垂るゝなり

青柳の日に緑なり句を撰(えら)む


門柳
門柳五本並んで枝垂れけり


木瓜(ぼけ)
蹴爪(けつま)づく富士の裾野や木瓜の花

木瓜咲くや漱石拙(せつ)を守るべく  

木瓜咲くや筮竹(ぜいちく)の音算木(さんぎ)の音

か俗か庵(いおり)を這入れば木瓜の花

其愚には及ぶべからず木瓜の花  

寺町や土塀(どべい)の隙の木瓜の花

たく駝(たくだ)呼んで突(つく)ばい据(すえ)ぬ木瓜の花  1655

如意の銘彫る僧に木瓜の盛哉(さかりかな)
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