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漱石俳句 春

夏目漱石 春12

白梅


不立文字(ふりゅうもじ)白梅一木(はくばいいちぼく)咲きにけり  

白梅に千鳥啼くなり浜の寺

酒醒て梅白き夜の冴返る

夜汽車より白きを梅と推(すい)しけり

白梅やを講ずる蘇東坡服 (そとうばふく)

月に望む麓(ふもと)の村の梅白し

佩環(はいかん)鏘然(そうぜん)として梅白し

上り汽車箱根を出(いで)て梅白し

梅に対す和靖(わせい)の髭の白きかな

白梅にしぶきかゝるや水車


梅林

梅林や角巾(かつきん)黄なる売茶翁(ばいさおう)


梅園

墨の香や奈良の都の古梅園 (こばいえん)


梅屋敷

妓(ぎ)を拉(らつ)す二重廻しや梅屋敷  

女倶(おんなぐ)して舟を上るや梅屋敷  

円遊の鼻ばかりなり梅屋敷


梅の宿

梅の宿残月(ざんげつ)硯(すずり)を蔵しけり  

長と張つて半と出でけり梅の宿  

玉碗(ぎょくわん)に茗甘(めいあま)なうや梅の宿


梅の主

法橋(ほうきょう)を給はる梅の主人(あるじ)かな  

粗略ならぬ服紗(さ)さばきや梅の主  

日当りや刀を拭ふ(ぬぐ)梅の主  

竹藪の青きに梅の主人哉


梅見

兵児殿(へこどの)の梅見に御ぢやる朱鞘哉 (しゅざやかな)

明た口(あいたくち)に団子賜る梅見かな  

いざ梅見合点と端折(はしよ)る衣(きぬ)の裾  

さらさらと衣を鳴らして梅見哉  

道服吾妻コートの梅見哉


紅梅こうばい

紅梅に青葉の笛を画かばや  

紅梅にあはれ琴ひく妹(いも)もがな  

なれば紅梅咲いて女かな  

紅梅に通ふ築地(ついじ)の崩(くずれ)哉  

蔵つきたり紅梅の枝黒い塀(へい)  

紅梅は愛せず折りて人に呉れぬ  

紅梅や内侍玉(ないしたま)はる司人 (つかさびと) 

裏門や酢蔵(すぐら)に近き梅赤し  

京音の紅梅ありやと尋ねけり  

紅梅に艶なる女主人かな

紅梅や物の化の住む古館(ふるやかた)

梅紅(うめくれな)ひめかけの歌に咏まれけり

いち早く紅梅咲きぬ下屋敷(しもやしき)  

紅梅や姉妹(きょうだい)の振る采(さい)の筒

紅梅や文箱(ふみばこ)差出す高蒔絵(たかまきえ)
丸髷(まるまげ)に結ふや咲く梅紅(くれない)に

白絹(しらぎぬ)に梅紅ゐの女院(にょいん)かな

紅梅や舞の地(ぢ)を弾く金之助(きんのすけ)
 

椿

御館のつらつら椿咲にけり

落ちさまに虻(あぶ)を伏せたる椿

寺町や椿の花に春の雪

活けて見る光琳の画(え)の椿哉

飯食へばまぶた重たき椿哉

椿とも見えぬ花かな夕曇


落椿

弦音(つるおと)にほたりと落る椿かな

先達(せんだつ)の斗巾(ときん)の上や落椿

御陵(みささぎ)七つ下(さが)りの落椿

落椿重なり合ひて涅槃哉(ねはんかな)

藁(わら)打てば藁に落ちくる椿哉


初桜

雛に似た夫婦もあらん初桜

土手で追ひ剥がれしか初桜


彼岸桜
尼寺や彼岸桜は散りやすき


枝垂桜(しだれざくら)

紙雛(かみひいな)つるして枝垂桜哉





春三日よしのゝ桜一重なり  

名は桜物の見事に散る事よ  

桜ちる南八男児(なんぱちだんじ)死せんのみ

婆様(ばばさま)の御寺へ一人桜かな

御車を返させ玉ふ桜かな

国分寺(こくぶじ)の瓦(かわら)掘出す桜かな

断礎一片有明桜(だんそいっぺんありあけざくら)ちりかゝる

山三里桜に足駄(あしだ)穿(は)きながら

川向ひ桜咲きけり今戸焼

散るを急ぎ桜に着(き)んと縫ふ小袖

ふものは誰ぞ桜に灯(ひ)ともして

松をもて囲ひし谷の桜かな  

雨に雲に桜濡れたり山の陰

就中(なかんずく)高き桜をくるりくるり

来よといふに来(きた)らずやみし桜かな

山伏の関所へかゝる桜哉

強力(ごうりき)(おいばこ)に散る桜かな

おくれたる一本桜憐(あわれ)なり

千社札(せんじゃふだ)貼る楼門の桜哉

宝寺(たからじ)の隣に住んで桜哉
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