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漱石俳句 春

夏目漱石 春9

初音

鶯の大木に来て初音かな


雉子

雉子の声大竹原を鳴り渡る

野に山に焼き立てられて雉の声


雲雀(ひばり)

鳴く雲雀帝座を目懸かけ上(のぼ)る

風船にとまりて見たる雲雀哉



揚雲雀(あげひばり)

物草の太郎の上や揚雲雀

帆(むしろほ)の真上に鳴くや揚雲雀

落つるなり天に向つて揚雲雀




風に乗って軽くのし行くかな

思ふ事只一筋に乙鳥(つばめ)かな

居合抜けば燕ひらりと身をかはす

乙鳥(つばくろ)や赤い暖簾の松坂屋

滝に乙鳥(いつちょう)突き当らんとしては返る

欄干(らんかん)に倚(よ)れば下から乙鳥(つばめ)哉

牽船(ひきぶね)の縄のたるみや乙鳥(つばくらめ)

三河屋へひらりと這入る乙鳥哉

呑口(のみぐち)に乙鳥の糞も酒屋哉



濡燕

濡燕御休みあつて然るべし


帰る
去年今年(こぞことし)大きうなりて帰る雁  

一群や北能州(きたのうしゅう)へ帰る雁

連立(つれだつ)て帰うと雁皆去りぬ  



の餌(え)や喰ふ黄なる口あけて


鳥雲に入る(とりくもにいる)

わかるゝや一鳥啼(ない)て雲に入る


雀の巣

雀巣くふ石の華表(かひょう)や春の風


白魚

白魚に己れ恥ぢずや川蒸気
白魚や美しき子の触れて見る

ふるひ寄せて白魚崩れん許(ばか)りなり


若鮎
若鮎の焦つてこそは上るらめ



飯蛸

飯蛸(いいだこ)の頭に兵(ひょう)と吹矢かな

蟹に負けて飯蛸の足五本なり

飯蛸の一かたまりや皿の藍(あい)

飯蛸や膳の前なる三保の松

飯蛸と侮りそ足は八(や)つあると




蛤(ハマグリ)や折々見ゆる海の城




若草や水の滴たる蜆籠(しじみかご)

名物の椀の蜆や春浅し


田螺(たにし)

山吹に里の子見えぬ田螺かな

ぶつぶつと大なる田螺の不平哉


田螺鳴く

よく聞けば田螺なくなり鍋の中


初蝶(はつちょう)

初蝶や菜の花なくて淋しかろ




何事ぞ手向(たむけ)し花に狂ふ蝶

小柄杓(こびしゃく)や蝶を追ひ追ひ子順礼

二つかと見れば一つに飛ぶや
蝶に思ふいつ振袖で嫁ぐべき

老ぬるを蝶に背いて繰(く)る糸や

御簾(みす)揺れて蝶御覧ずらん人の影

蝶舐める朱硯(しゅすずり)の水澱みたり

留針(とめばり)や故郷(ふるさと)の蝶余所(よそ)の蝶

上画津(かみえづ)や青き水菜に白き蝶

白き蝶をふと見染めけり黄なる蝶

屑買の垣より呼べば蝶黄なり

香焚けば焚かざれば又来(きた)る蝶

蝶去つてまた蹲踞(うずくま)る小猫かな


胡蝶

御簾揺れて人ありや否や飛ぶ胡蝶




寒山拾得(じつとく)か蜂に螫(さ)されしは


の巣

古瓢(ふるふくべ)柱に懸けて蜂巣くふ


虻(あぶ)
落ちさまに虻を伏せたる椿



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