スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

漱石俳句 春

夏目漱石 春8

二日灸
潮風に若君(わかぎみ)黒し二日灸(ふつかきゅう)


出代(でがわ)り
出代りや花と答へて跛(ちんば)なり

出代りの夫婦別れて来りけり



雛に似た夫婦もあらん初桜
雛殿も語らせ給への雨

むづからせ給はぬ雛の育ち哉

端然(たんぜん)と恋をして居る雛かな

或夜夢に雛娶(めと)りけり白い酒

太刀佩(はき)て恋する雛ぞむつかしき

二人して雛にかしづく楽しさよ

仕立もの持て行く家や雛の

紙雛

紙雛(かみひいな)つるして枝垂桜(しだれざくら)


涅槃像(ねはんぞう)
涅槃像鰒(ふぐ)に死なざる本意(ほい)なさよ

里の子の猫加へけり涅槃像

なある程是は大きな涅槃像


涅槃
落椿(おちつばき)重なり合ひて涅槃哉


鹿の角落
角落ちて首傾けて奈良の鹿


猫の恋
金屏(きんびょう)を幾所(いくしょ)かきさく猫の恋

のら猫の山寺に来て恋をしつ

真向(まむかい)に坐りて見れど猫の恋

恋猫や主人は心地例ならず

猫知らず寺に飼はれて恋わたる

恋猫の眼(まなこ)ばかりに痩せにけり


蛙(かえる)
踏みはづす蛙是へと田舟(たぶね)哉  

市中(いちなか)に君に飼はれて鳴く蛙

鳴く蛙なかぬ蛙とならびけり

大方(おおかた)はおなじ顔なる蛙かな  



や隣の娘何故のぞく

春の雨鶯も来よ夜着の中

鶯のほうと許(ばか)りで失せにけり

鶯や雨少し降りて衣紋坂(えもんざか)

鶯の去れども貧にやつれけり

鶯や田圃(たんぼ)の中の赤鳥居
鶯をまた聞きまする昼餉(ひるげ)

鶯や隣(となり)あり主人垣を覗く

鳴く事を鶯思ひ立つ日哉

鶯の鳴かんともせず枝移り

雨に濡れて鶯鳴かぬ処なし

貪りて鶯続け様に鳴く

鶯も柳も青き住居(すまい)かな

花食(は)まば鶯の糞も赤からん

鶯の日毎(ひごと)巧みに日は延びぬ

吾に媚ぶる鶯の今日も高音(たかね)かな

鶯は隣へ逃げて藪つゞき

鶯や髪剃(かみそり)あてゝ貰ひ居る

鶯に聞き入る茶屋の床几(しょうぎ)

鶯や草鞋(ぞうり))を易(か)ふる峠茶屋

鶯や竹の根方鍬(くわ)の尻

鶯や藪くぐり行く蓑(みの)一つ  

鶯を聴いてゐるなり縫箔屋(ぬいはくや)  

鶯に餌(え)をやる寮の妾(めかけ)かな  

鶯を飼ひて床屋の主人(あるじ)哉

鶯や障子あくれば東山







スポンサーサイト
コメント
トラックバック
トラックバックURL
コメントフォーム








管理者にだけ表示を許可する






プロフィール

ことのは堂

Author:ことのは堂
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター

この人とブロともになる

QRコード
Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。